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日本の防災・緊急時対応ガイド

地震が起きたときの行動マニュアル

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年3月2日
地震が起きたときの行動マニュアル

日本で地震が起きたときに外国人がすべき行動を場所別に完全解説。緊急地震速報の受け取り方、Drop・Cover・Holdの基本動作、津波への対応、避難所の利用方法、防災アプリの活用法まで、命を守るための情報をまとめました。

地震が起きたときの行動マニュアル|外国人のための完全ガイド

日本は世界のマグニチュード6以上の地震の約20%が発生する地震大国です。毎日40~50回もの地震が発生しており、年間約2,000回の体感地震が記録されています。日本で暮らす外国人にとって、地震は最も身近な自然災害であり、正しい行動を知っておくことが命を守る鍵となります。

この記事では、地震が発生した瞬間から避難、そしてその後の生活再建まで、外国人が知っておくべきすべての行動を分かりやすく解説します。日本の防災・緊急時対応ガイドと合わせてぜひご確認ください。

緊急地震速報を受け取ったらまずやること

日本の気象庁は、地震の揺れが届く前に緊急地震速報を発信します。スマートフォンから「ギュイーン!ギュイーン!」という独特のアラーム音が鳴ったら、地震が間近に迫っている合図です。

緊急地震速報を受け取ってから揺れが来るまでは、わずか数秒~数十秒しかありません。この短い時間で以下の行動を取りましょう。

  • 火を使っている場合:すぐに火を消す(ただし大きな揺れの最中は無理をしない)
  • ドアや窓を開ける:避難経路を確保するために出口を開放する
  • 危険な場所から離れる:窓ガラス、棚、冷蔵庫など倒れやすいものから距離を取る

外国人が地震時に直面する最大の課題は「何が起きているのか分からない」という情報不足です。防災アプリとアラート通知の設定を事前に行い、多言語で情報を受信できるようにしておきましょう。

地震発生中の場所別行動マニュアル

地震発生時の基本行動は世界共通の「Drop(まず低く)、Cover(頭を守り)、Hold(動かない)」です。ただし、いる場所によって具体的な対応は異なります。

自宅・室内にいる場合

  • テーブルや机の下に身を隠し、脚をしっかり持つ
  • テーブルがない場合は、クッションやかばんで頭を守る
  • 窓ガラスの近くから離れる
  • 揺れが収まるまで絶対に外に飛び出さない

オフィス・学校にいる場合

  • デスクの下に入り、揺れが収まるまで待つ
  • コピー機や書棚など重い家具から離れる
  • 上司や先生の指示に従って行動する
  • エレベーターは絶対に使わず階段で避難する

外出中・屋外にいる場合

  • かばんやリュックで頭を守る
  • ブロック塀や自動販売機、看板の下から離れる
  • 公園や広い駐車場など開けた場所に移動する
  • 建物からのガラス落下に注意する

電車・地下鉄に乗っている場合

  • つり革や手すりにしっかりつかまる
  • 急ブレーキに備えて体を低くする
  • 車内放送(日本語・英語)の指示に従う
  • 勝手にドアを開けて線路に降りない

車を運転している場合

  • ハザードランプを点けて徐々に速度を落とす
  • 道路の左側に寄せて停車する
  • エンジンを切り、キーは付けたまま車を離れる
  • カーラジオで情報を確認する
場所最初にすべきこと絶対にやってはいけないこと
自宅テーブルの下に隠れる慌てて外に飛び出す
オフィスデスク下で頭を守るエレベーターを使う
屋外開けた場所に移動する建物の壁際に寄る
電車内手すりにつかまる勝手に線路に降りる
車の中左側に寄せて停車する急ブレーキをかける
海の近くすぐに高台へ避難する海の様子を見に行く

揺れが収まった後にすべき5つの行動

揺れが収まっても、すぐに安全とは限りません。地震発生後の正しい行動を順番に確認しましょう。

1. 二次災害を防ぐ

地震発生後、火災が最も危険な二次災害です。ガスの元栓を閉め、電気ブレーカーを落としましょう。特に通電火災(電気が復旧した際に起きる火災)を防ぐため、避難前にブレーカーを必ず切ってください。

2. 安全を確認して避難する

建物の損傷状況を確認し、危険と判断した場合は速やかに避難します。余震で倒壊する可能性があるため、損傷した建物には戻らないでください。避難所の場所と利用方法を事前に確認しておくことが重要です。

3. 情報を収集する

テレビ、ラジオ、スマートフォンで正確な情報を集めます。SNSのデマ情報に惑わされないよう、公式情報源を利用しましょう。災害時の多言語情報の入手方法も事前にチェックしておくと安心です。

4. 家族・大使館に連絡する

災害用伝言ダイヤル(171)やLINEなどのメッセージアプリで安否を報告します。電話回線は混雑するため、テキストメッセージの方が繋がりやすいです。大使館・領事館への連絡方法も確認しておきましょう。

5. 避難所に向かう

自宅が安全でない場合は、最寄りの避難所に移動します。避難所では食料・水・毛布などが提供されます。外国人も日本人と同じように避難所を利用できます。

津波が心配される地域での特別な注意点

海沿いの地域に住んでいる方は、地震後の津波に特に注意が必要です。揺れが小さくても大きな津波が発生することがあります。

津波警報が出た場合の避難手順で詳しく解説していますが、基本的なルールは以下の通りです。

  • 津波警報・注意報が出たらすぐに高台(海抜10m以上)に避難する
  • 「より高く、より遠く」が鉄則
  • 海や河口に絶対に近づかない
  • 津波は1回で終わらない。警報解除まで安全な場所にとどまる
  • 車での避難は渋滞の原因になるため、原則として徒歩で避難する
津波の高さ予想される被害必要な行動
0.2m~1m海水浴や港での危険海岸から離れる
1m~3m木造家屋に大きな被害高台または3階以上に避難
3m~10m鉄筋建物にも被害できるだけ高い場所へ
10m以上壊滅的な被害最大限高い場所に避難

外国人が知っておくべき日本の防災システム

日本には外国人をサポートする防災システムが整備されています。内閣府の防災情報ページでは、15言語対応の防災ポスターが公開されています。

防災アプリ「Safety tips」

観光庁が提供するSafety tipsは、緊急地震速報、津波警報、気象警報をプッシュ通知で受信できるアプリです。英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語など15言語に対応しています。

災害用伝言ダイヤル(171)

電話で「171」をダイヤルすると、安否メッセージを録音・再生できます。日本語での音声ガイダンスに従って操作しますが、事前に使い方を練習しておくと安心です。毎月1日と15日は体験利用が可能です。

外国人向けの支援窓口

  • JNTO(日本政府観光局)ツーリストインフォメーション:365日対応、多言語サポート
  • よりそいホットライン(0120-279-338):外国語での相談が可能
  • 各自治体の国際交流協会:地域ごとの外国人支援を提供

緊急時の連絡先と相談窓口一覧に詳細をまとめていますので、事前にブックマークしておくことをおすすめします。

地震に備えた事前準備チェックリスト

いつ起きるか分からない地震に備えて、日頃から以下の準備をしておきましょう。防災グッズの準備リストと購入先も参考にしてください。

家の中の安全対策

  • 家具の固定:冷蔵庫、本棚、テレビはL字金具や耐震マットで固定する
  • ガラス飛散防止:窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る
  • 避難経路の確保:廊下や玄関に物を置かない
  • 非常用持ち出し袋:水、食料、懐中電灯、モバイルバッテリー、パスポートのコピーを準備

情報の準備

  • 防災アプリ(Safety tips、Yahoo!防災速報)をインストール
  • 最寄りの避難所の場所を確認
  • 職場・学校からの避難ルートを把握
  • 家族との連絡方法を決めておく
  • 重要書類(在留カード、パスポート、保険証)のコピーを持ち出し袋に入れておく

地域の防災訓練に参加する

多くの自治体では年に1~2回、防災訓練を実施しています。外国人も参加できますので、自治体の広報やウェブサイトで日程を確認しましょう。実際に体を動かして避難行動を体験することで、いざという時に冷静に行動できるようになります。

地震後の生活再建と支援制度

大きな地震で自宅に被害を受けた場合、災害後の生活再建と支援制度を活用できます。外国人も日本人と同じ支援を受けることができます。

  • 罹災証明書の発行:被害状況を証明する書類。保険金請求や支援金申請に必要
  • 災害救助法に基づく支援:仮設住宅の提供、生活必需品の支給
  • 被災者生活再建支援金:最大300万円の支給
  • 住宅の応急修理制度:最大約60万円の修理費用を支援

これらの制度を利用するには、まず市区町村の窓口に相談してください。日本語での手続きが難しい場合は、地域の国際交流協会やボランティア通訳に支援を依頼することもできます。

まとめ:地震が来ても慌てないために

日本で暮らす以上、地震と共に生きることは避けられません。しかし、正しい知識と準備があれば、地震による被害を最小限に抑えることができます。

今すぐできる3つのこと:

  1. 防災アプリをインストールする(Safety tipsがおすすめ)
  2. 非常用持ち出し袋を準備する(防災グッズリストを参考に)
  3. 避難所の場所を確認する(避難所の確認方法を参照)

日本の防災システムは世界トップクラスの水準にあります。外国人向けの多言語情報サービスも充実していますので、積極的に活用してください。「備えあれば憂いなし」——この日本のことわざを心に留めて、安全な日本生活を送りましょう。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、日本企業・外資系企業で11年の実務経験。外国人の日本生活情報を発信。

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