犯罪被害に遭った場合の対処法と支援

日本で犯罪被害に遭った外国人のための完全ガイドです。警察への通報方法(110番の使い方)、被害届の出し方、犯罪被害給付金制度の申請方法、多言語対応の相談窓口一覧、法テラスによる無料弁護士支援制度まで詳しく解説しています。緊急連絡先リストや保険・補償手続きの情報も網羅した保存版です。
犯罪被害に遭った場合の対処法と支援|外国人が知っておくべき完全ガイド
日本は世界的に見ても治安の良い国として知られていますが、犯罪被害に遭う可能性はゼロではありません。特に外国人の場合、言語の壁や制度への不慣れから、被害に遭っても適切な対応が取れないケースが少なくありません。この記事では、日本で犯罪被害に遭った場合の具体的な対処法、利用できる支援制度、そして相談窓口について詳しく解説します。
犯罪被害に遭った直後にすべきこと
犯罪被害に遭った場合、まず自分の安全を確保することが最優先です。安全な場所に移動したら、速やかに警察に通報しましょう。
緊急通報先:
- 110番(警察):事件・事故の緊急通報。英語対応の三者通話サポートがあり、日本語が話せなくても通報できます
- 119番(消防・救急):けがをしている場合は救急車も同時に呼びましょう
- #9110:緊急性のない相談窓口。各都道府県の警察本部につながります
通報時には、いつ・どこで・何が起きたかを伝えることが重要です。日本語が難しい場合は「English please」と伝えれば、通訳サービスにつないでもらえます。警視庁の多言語対応ページも参考になります。
また、証拠の保全も重要です。けがの写真、現場の状況、目撃者の連絡先などを可能な範囲で記録しておきましょう。警察との対応方法と外国人の権利についても事前に知っておくと安心です。
被害届の提出方法と流れ
犯罪被害に遭ったら、最寄りの交番(こうばん)または警察署(けいさつしょ)で被害届を提出します。
被害届提出の流れ
- 最寄りの交番・警察署に行く:パスポートや在留カードを持参しましょう
- 被害状況を説明する:通訳が必要な場合は電話通訳サービスを利用できます
- 被害届の作成:警察官が聞き取りをしながら書類を作成します
- 受理番号を受け取る:保険請求や大使館への報告に必要です
- 調書への署名:内容を確認してから署名します
重要な注意点として、被害届は必ず日本国内にいる間に提出してください。日本の警察は海外からの被害届を受理しません。旅行者の方は帰国前に必ず手続きを済ませましょう。
通訳については、警察署によっては常駐の通訳者がいない場合がありますが、電話通訳サービスは多くの警察署で利用可能です。事前に法務省の外国人相談窓口に問い合わせることもできます。
外国人が利用できる犯罪被害者支援制度
日本には犯罪被害者を支援するさまざまな制度があり、外国人であっても日本国内に住所がある場合は利用できます。
犯罪被害給付金制度
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 日本国内に住所がある犯罪被害者(外国人含む) |
| 遺族給付金 | 死亡した被害者の遺族に支給(320万〜2,964万円) |
| 重傷病給付金 | 重傷病を受けた被害者に支給(上限120万円) |
| 障害給付金 | 障害が残った被害者に支給(18万〜3,974万円) |
| 申請期限 | 被害発生を知った日から2年以内 |
| 申請先 | 被害発生地を管轄する都道府県公安委員会 |
| 資力要件 | 現金・預金等が300万円以下 |
この制度の詳細は警察庁の犯罪被害給付制度ページで確認できます。
犯罪被害者等支援弁護士制度
2026年1月13日から開始された新制度で、殺人や性犯罪などの被害者やその家族が、刑事・民事・行政の各手続について弁護士による包括的な支援を原則無料で受けられます。詳しくは法テラスの犯罪被害者支援ページをご覧ください。
弁護士の探し方と法律相談の受け方の記事も参考にしてください。
外国人向けの相談窓口一覧
犯罪被害に遭った場合、以下の窓口に相談できます。多くの窓口で多言語対応しています。
| 相談窓口 | 電話番号 | 対応言語 | 対応時間 |
|---|---|---|---|
| 警察(緊急) | 110 | 英語通訳あり | 24時間 |
| 警察相談 | #9110 | 日本語中心 | 平日日中 |
| よりそいホットライン | 0120-279-338 | 多言語対応 | 毎日10:00-22:00 |
| 法テラス | 0570-078374 | 多言語通訳あり | 平日9:00-21:00 |
| 性犯罪被害相談 | #8103 | 日本語中心 | 24時間 |
| 法務省人権相談 | 0570-003-110 | 10言語対応 | 平日8:30-17:15 |
よりそいホットライン(0120-279-338)は、外国人向けの無料電話相談として特に重要です。英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、ベトナム語、タイ語、ネパール語などに対応しています。
各国の大使館・領事館も重要な相談先です。米国大使館の犯罪被害者支援ページのように、多くの大使館が自国民向けの支援情報を提供しています。
犯罪の種類別の対処法
犯罪の種類によって対処法が異なります。よくあるケースごとに解説します。
窃盗・スリ被害
- 被害に気づいたらすぐに最寄りの交番に届け出る
- クレジットカードが盗まれた場合はカード会社に連絡して利用停止
- パスポートが盗まれた場合は大使館・領事館に連絡して再発行手続き
- 在留カードが盗まれた場合は入管に届出(14日以内)
詐欺・悪徳商法から身を守る方法も合わせてご確認ください。
暴行・傷害被害
- まず安全な場所に避難し、119番で救急車を呼ぶ
- けがの状況を写真で記録する
- 病院で診断書を取得する(被害届や保険請求に必要)
- 110番で警察に通報し、被害届を提出する
DV(配偶者からの暴力)
配偶者やパートナーからの暴力は、DV被害者の支援制度と相談先で詳しく解説しています。外国人であっても保護命令の申立てが可能で、在留資格への影響についても配慮がなされます。
性犯罪被害
- 性犯罪被害専用ダイヤル #8103(24時間対応)に電話
- 証拠保全のため、シャワーを浴びたり着替えたりしないでください
- 病院で診察を受け、証拠の採取と治療を行う
- 被害届の提出は後日でも可能です
職場での被害と労働関連トラブル
外国人労働者が職場で犯罪被害やハラスメントに遭うケースも報告されています。
- 賃金未払い・不当労働:労働基準監督署に相談
- パワハラ・セクハラ:職場でのハラスメントと相談先ガイドを参照
- 労働トラブル全般:労働トラブルの相談窓口と解決方法が詳しいです
GaijinPotの警察対応に役立つ日本語フレーズ集も、いざという時に役立ちます。
保険と補償の手続き
犯罪被害に遭った場合、以下の保険・補償制度を確認しましょう。
利用できる可能性がある保険・補償
| 種類 | 対象 | 手続き先 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 治療費の自己負担軽減 | 加入している健康保険組合 |
| 国民健康保険 | 治療費の自己負担軽減 | 市区町村の窓口 |
| 海外旅行保険 | 旅行者の治療費・盗難補償 | 加入保険会社 |
| 犯罪被害給付金 | 重傷病・障害・死亡 | 都道府県公安委員会 |
| 労災保険 | 業務中の被害 | 労働基準監督署 |
| 自賠責保険 | 交通事故被害 | 加害者の保険会社 |
保険請求には被害届の受理番号と医療機関の診断書が必要になることが多いため、必ず取得しておきましょう。交通事故に遭った場合の対処法と手続きも参考になります。
被害を未然に防ぐための対策
犯罪被害に遭わないための予防策も重要です。
- 貴重品の管理:パスポートや在留カードのコピーを別の場所に保管する
- 危険な場所を避ける:深夜の繁華街や人気のない場所には一人で行かない
- 緊急連絡先の登録:110番、119番、大使館の電話番号をスマートフォンに登録しておく
- 近隣との関係構築:近隣トラブルの円満な解決方法にあるように、地域コミュニティとのつながりは安全にもつながります
- 日本の法律の基礎知識:外国人が知っておくべき日本の重要な法律を事前に読んでおきましょう
- 在留資格の管理:在留資格のトラブルと入管への対応方法で、ビザに関するトラブルを防ぎましょう
JOBs IN JAPANの犯罪被害対処ガイドも、外国人向けに分かりやすくまとめられています。
まとめ:日本で犯罪被害に遭っても一人で悩まないで
日本で犯罪被害に遭った場合、外国人であっても日本人と同じように法的保護を受ける権利があります。最も重要なポイントをまとめます。
- 緊急時は迷わず110番に通報する(英語通訳サポートあり)
- 被害届は日本国内にいる間に必ず提出する
- 犯罪被害給付金制度は外国人も対象(申請期限は2年以内)
- よりそいホットライン(0120-279-338)は多言語対応の無料相談
- 法テラスでは弁護士による無料支援が受けられる
- 大使館・領事館も相談先として活用する
言葉の壁があっても、多くの支援窓口が多言語対応しています。犯罪被害に遭ったら、一人で抱え込まず、必ず相談してください。日本の法律・トラブル対処完全ガイドも併せてご活用ください。
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