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日本でのペットとの暮らしガイド

犬の登録手続きと狂犬病予防注射

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年3月2日
犬の登録手続きと狂犬病予防注射

日本で犬を飼う外国人の方に向けて、犬の登録手続きと狂犬病予防注射の方法を徹底解説します。費用の目安、必要書類、マイクロチップ制度の最新情報、引っ越し時の届出、海外から犬を連れてくる場合の手続きまで、全手順をわかりやすく紹介。日本での犬の飼育に必要な法律上の義務をしっかり理解しましょう。

犬の登録手続きと狂犬病予防注射|外国人飼い主が知るべき全手順

日本で犬を飼う場合、飼い主には法律で定められた義務があります。それが「犬の登録」と「狂犬病予防注射」です。日本に住む外国人の方にとって、この手続きは母国にはない制度かもしれませんが、狂犬病予防法によって厳格に義務付けられています。手続きを怠ると罰則の対象にもなりますので、犬を飼い始めたら必ず対応しましょう。

この記事では、外国人の飼い主に向けて、犬の登録から狂犬病予防注射まで、必要な手続きの全ステップをわかりやすく解説します。

犬の登録が必要な理由と法律上の義務

日本では、生後91日以上の犬を飼う場合、お住まいの市区町村への登録が法律で義務付けられています。これは日本国籍の方だけでなく、日本に住む外国人の飼い主にも同様に適用されます。

犬の登録制度が存在する主な理由は以下の通りです。

  • 狂犬病の予防と管理:万が一の発生時に、すべての犬の所在を把握するため
  • 飼い主の責任の明確化:迷子や事故の際に飼い主を特定するため
  • 動物愛護行政の基盤:適正な飼育を推進するため

登録は犬の生涯で1回のみ行えばよく、登録すると「鑑札(かんさつ)」が交付されます。この鑑札は犬の首輪などに装着する義務があります。登録を怠った場合、20万円以下の罰金が科される可能性があるため、犬を迎えたら早めに手続きを行いましょう。

犬の登録手続きの具体的な流れ

犬の登録手続きは、お住まいの市区町村の役所窓口で行います。外国人の方でもパスポートや在留カードがあればスムーズに手続きできます。

登録に必要なもの

必要書類・持ち物詳細
飼い主の身分証明書在留カードまたはパスポート
登録手数料約3,000〜3,600円(自治体により異なる)
犬の情報犬種、毛色、生年月日、名前など
マイクロチップ証明書マイクロチップ装着済みの場合
狂犬病予防注射済証注射済みの場合は同時に届出可能

手続きの手順

  1. 市区町村の窓口を訪問:保健所や動物愛護センターが担当している場合もあります
  2. 登録申請書に記入:犬の情報と飼い主の情報を記入します(日本語が難しい場合は窓口で支援を受けられます)
  3. 手数料を支払う:約3,000〜3,600円
  4. 鑑札を受け取る:登録完了後に交付されます
  5. 鑑札を犬に装着:首輪やハーネスに付けましょう

令和5年(2023年)4月以降は、マイクロチップの登録が「犬と猫のマイクロチップ情報登録」サイトで完了している場合、市区町村での登録手続きが不要になるケースもあります。詳しくはお住まいの自治体に確認してください。

狂犬病予防注射の義務と接種時期

日本ではすべての犬に年1回の狂犬病予防注射が義務付けられています。日本は世界でも数少ない狂犬病清浄国ですが、海外からの侵入を防ぐために厳格な予防体制が維持されています。

接種時期

狂犬病予防注射の接種時期は毎年4月〜6月が推奨されています。この期間に各自治体で集合注射が実施されますが、動物病院では1年を通して接種可能です。

接種方法は2つ

接種方法メリットデメリット
集合注射(市区町村実施)費用が安い、注射済票がその場で交付日時・場所が限定、混雑する場合あり
動物病院での接種通年接種可能、健康相談もできる費用がやや高い、注射済票は別途申請が必要

集合注射の案内は、登録済みの飼い主宛にハガキで届きます。外国人の方で日本語のハガキが読めない場合は、自治体のウェブサイトや多言語対応の窓口で日程を確認しましょう。

狂犬病予防注射の費用と注射済票の交付

費用の目安

狂犬病予防注射にかかる費用は自治体や動物病院によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

費目金額(税込)
集合注射の注射料金約2,750円
動物病院の注射料金約3,000〜3,300円
注射済票交付手数料550円
合計(集合注射の場合)約3,300円
合計(動物病院の場合)約3,550〜3,850円

注射済票の取得

予防注射を受けると「注射済票(ちゅうしゃずみひょう)」が交付されます。これは鑑札と同様に犬に装着する義務があります。

  • 集合注射の場合:その場で注射済票が交付されます
  • 動物病院の場合:獣医師から発行される「狂犬病予防注射済証」を持って市区町村の窓口で注射済票の交付を受ける必要があります

注射済票の交付申請は、一部の自治体ではオンラインでも可能です。お住まいの自治体の行政手続きページを確認してみましょう。

マイクロチップ登録と最新の制度変更

2022年6月から、ブリーダーやペットショップで販売される犬・猫にはマイクロチップの装着が義務化されました。すでに飼っている犬への装着は努力義務ですが、多くのメリットがあります。

マイクロチップのメリット

  • 迷子時の身元確認が確実にできる
  • 災害時に飼い主との再会がスムーズ
  • 犬の登録手続きが簡略化されるケースがある
  • 海外への渡航時に必要な場合が多い

マイクロチップ装着後の手続き

  1. 動物病院で装着(費用:約3,000〜5,000円)
  2. 「犬と猫のマイクロチップ情報登録」サイトで登録
  3. 市区町村への届出(自治体によっては不要になる場合あり)

ペットショップで購入した犬の場合、すでにマイクロチップが装着・登録済みのことが多いですが、飼い主の変更登録は必ず行いましょう。日本でペットを飼うための基本を確認しておくと安心です。

引っ越し・転居時に必要な届出

日本国内で引っ越しをする場合や、犬の飼い主が変わった場合には届出が必要です。

必要な届出一覧

ケース届出先必要なもの
同一市区町村内の引っ越し現在の市区町村鑑札、届出書
他の市区町村への引っ越し転入先の市区町村旧鑑札(新しい鑑札に交換)
飼い主の変更新しい飼い主の市区町村鑑札、届出書
犬が亡くなった場合登録している市区町村鑑札、注射済票の返還

外国人の方が帰国する場合は、犬を連れて帰るか、新しい飼い主に引き継ぐかを決め、どちらの場合も適切な届出を行いましょう。犬を海外に連れて行く場合は、動物検疫の手続きも別途必要です。

狂犬病予防注射の注意点と副反応

犬の健康を守るために、予防注射を受ける際にはいくつかの注意点があります。

接種前の確認事項

  • 犬の体調が良好であることを確認する
  • 食欲不振や下痢などの症状がないか確認する
  • 妊娠中や病気療養中の場合は獣医師に相談する
  • 1ヶ月以内に他のワクチン接種をしていないか確認する

接種後の注意点

  • 当日は激しい運動を避ける
  • 数日間はシャンプーを控える
  • 食欲不振、嘔吐、下痢などの異常が見られたらすぐに動物病院を受診する
  • まれにアナフィラキシーショックを起こす場合があるため、接種後30分程度は病院の近くにいることが推奨

高齢の犬や持病のある犬の場合、獣医師に相談のうえ、注射の猶予証明書を発行してもらえる場合があります。この証明書を市区町村に届け出ることで、その年度の注射を免除されることがあります。

海外から犬を日本に連れてくる場合の手続き

海外から犬を日本に連れてくる場合は、入国前から計画的に準備を進める必要があります。

入国前に必要な手続き

  1. マイクロチップの装着(ISO規格11784/11785準拠)
  2. 狂犬病予防注射を2回接種(不活化ワクチンまたは組換えワクチンのみ有効)
  3. 狂犬病抗体検査(指定検査機関で実施)
  4. 180日間の待機期間(抗体検査後)
  5. 輸出国政府発行の健康証明書の取得
  6. 動物検疫所への事前届出(到着40日前まで)

入国後に必要な手続き

  • 到着空港の動物検疫所での検査
  • 30日以内に市区町村で犬の登録
  • 狂犬病予防注射の接種と注射済票の取得

アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー、ハワイ、グアムからの入国は手続きが簡略化されていますが、いずれの国からの入国でも事前届出は必須です。

よくある質問(FAQ)

Q: 登録を忘れていた場合はどうなりますか? A: 気づいた時点ですぐに登録しましょう。過料が科される可能性もありますが、まずは市区町村の窓口に相談してください。

Q: 日本語が話せなくても手続きできますか? A: 多くの自治体では多言語対応の窓口があります。また、役所で使えるフレーズ集を準備しておくと安心です。英語対応可能な動物病院も増えています。

Q: 猫にも登録義務はありますか? A: 猫には登録義務はありません。ただし、マイクロチップの装着・登録は推奨されています。

Q: 一時的な滞在でも登録が必要ですか? A: 生後91日以上の犬を30日以上飼育する場合は登録が必要です。短期旅行で犬を連れてくる場合は、動物検疫の手続きのみで問題ありません。

Q: ペット保険で狂犬病予防注射の費用はカバーされますか? A: 一般的にペット保険では狂犬病予防注射は補償対象外です。ただし、一部のプランでは予防医療特約が付帯している場合もあります。

まとめ

日本で犬を飼う外国人の方にとって、犬の登録と狂犬病予防注射は避けて通れない重要な手続きです。手続き自体は難しくありませんので、この記事を参考に早めに対応しましょう。

押さえるべきポイント:

  • 生後91日以上の犬は市区町村への登録が必須(生涯1回、約3,000〜3,600円)
  • 狂犬病予防注射は毎年1回(4〜6月推奨、約3,300円)
  • 鑑札と注射済票は犬に装着する義務がある
  • マイクロチップ登録で手続きが簡略化される場合がある
  • 引っ越し時には転入先への届出を忘れずに

日本でのペットとの暮らしを楽しむためにも、法律に基づいた適切な飼育を心がけましょう。わからないことがあれば、お住まいの自治体の窓口や動物病院に気軽に相談してください。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、日本企業・外資系企業で11年の実務経験。外国人の日本生活情報を発信。

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