外国人が日本で不動産を購入する手順と流れ

外国人が日本で不動産を購入する際の具体的な手順と流れを7つのステップで徹底解説します。物件探しから登記完了まで、必要書類一覧、諸費用の目安、住宅ローンの条件、2024年以降の制度変更など、初めて日本で不動産購入を検討する方にも分かりやすくまとめました。
外国人が日本で不動産を購入する手順と流れ
日本で不動産を購入したいと考えている外国人の方にとって、購入プロセスの全体像を理解することは非常に重要です。日本では外国人による不動産購入に大きな制限はなく、土地・建物ともに日本人とほぼ同じ手続きで購入できます。しかし、言語の壁や独自の商慣習があるため、事前にしっかりと準備することが成功の鍵となります。
この記事では、物件探しから登記完了まで、外国人が日本で不動産を購入する際の具体的な手順と流れを分かりやすく解説します。初めて日本の不動産を購入する方も安心して進められるよう、各ステップでの注意点も合わせてご紹介します。
外国人が日本で不動産を購入できる条件
日本は世界的に見ても、外国人の不動産購入に対して非常にオープンな国の一つです。国籍やビザの種類に関係なく、外国人でも日本国内の土地や建物を自由に購入・所有することができます。所有権に期限はなく、売買・贈与・相続も自由に行えます。
ただし、2024年4月1日以降、外国人が買主となる場合は国内連絡先の登記が必要になりました。また、2025年7月からは大規模な土地取引において取得者の国籍等の届出が義務化されるなど、制度面での変更も進んでいます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 購入資格 | 国籍・ビザの種類を問わず購入可能 |
| 所有権の期限 | 無期限(永久所有可能) |
| 土地の所有 | 可能(外国人も土地所有権を取得可能) |
| 売買・贈与・相続 | 日本人と同じく自由に行える |
| 国内連絡先の登記 | 2024年4月1日以降、必須 |
| 大規模土地取引の届出 | 2025年7月以降、国籍届出義務化 |
| 在留資格の取得 | 不動産購入だけではビザは取得できない |
重要な点として、不動産の購入だけでは日本の在留資格(ビザ)は取得できません。日本に住む目的で不動産を購入する場合は、別途ビザの取得手続きが必要です。
不動産購入の7つのステップ
外国人が日本で不動産を購入する際の基本的な流れは以下の通りです。各ステップを詳しく見ていきましょう。
ステップ1:物件を探す
まず、購入したい物件を探します。日本の不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME'S、athomeなど)や、外国人対応の不動産会社を利用するのが一般的です。信頼できる不動産エージェントを見つけることが成功の第一歩です。
外国人の場合は、英語や多言語対応の不動産会社を選ぶことで、コミュニケーションの壁を最小限に抑えることができます。物件の種類としては、マンションと一戸建てがあり、それぞれメリット・デメリットがあります。
ステップ2:物件の内覧と買付証明書の提出
気になる物件が見つかったら、実際に内覧(物件見学)を行います。建物の状態、周辺環境、日当たり、騒音レベルなどをしっかり確認しましょう。
購入を決めたら、買付証明書(購入申込書)を提出します。これは正式な契約ではなく、購入の意思を示す書類です。この段階で、購入希望価格や引き渡し希望日などの条件を記載します。
ステップ3:支払い方法の確認
現金一括で購入するか、住宅ローンを利用するかを決定します。外国人が日本で住宅ローンを組む場合は、いくつかの条件を満たす必要があります。
住宅ローンの審査では、永住権の有無が大きなポイントになります。永住権がない場合、審査は厳しくなる傾向があり、日本語能力や日本人配偶者の保証人が求められることもあります。海外からの送金を利用する場合は、タイムラグやエラーに備えて余裕を持ったスケジュールで送金しましょう。
ステップ4:重要事項説明を受ける
売買契約の前に、宅地建物取引士から重要事項説明を受けます。物件の権利関係、法令上の制限、設備の状況、取引条件などが詳しく説明されます。
外国語対応の不動産会社であれば、英語や母国語での説明を受けられる場合もありますが、法的には日本語での説明が正式なものとなります。不明な点は必ず質問し、理解した上で次のステップに進みましょう。
ステップ5:売買契約の締結
重要事項説明に同意したら、売買契約書に署名・捺印します。この際、手付金として物件価格の5〜10%を支払います。
売買契約書には以下の重要事項が記載されます:
- 売買代金と支払い方法
- 手付金の額と解約条件
- 物件の引き渡し日
- 契約違反時の違約金
- ローン特約(ローンが不承認の場合の取り扱い)
海外在住の外国人が来日できない場合は、委任状(パワー・オブ・アトーニー)を使って代理人に契約手続きを委任することも可能です。
ステップ6:決済と登記
残代金の支払い(決済)と所有権移転登記を同日に行います。通常、買主の銀行口座がある金融機関で行われ、司法書士が立ち会います。
決済時に必要な支払い:
- 残代金(物件価格から手付金を差し引いた金額)
- 仲介手数料の残金
- 登記費用
- 固定資産税の日割り精算
- その他諸費用
登記手続きでは、2024年4月1日以降、外国人個人の場合は日本語表記(カタカナまたは漢字)での氏名登録に加え、ローマ字(アルファベット大文字)が併記されるようになりました。
ステップ7:財務大臣への報告(非居住者の場合)
日本国外に居住する外国人(非居住者)が日本の不動産を取得した場合、取得日から20日以内に財務大臣へ事後報告する義務があります。この届出は日本銀行を通じて行います。日本に居住している外国人(在留カードを持つ方)の場合、この報告は不要です。
必要書類一覧
不動産購入時に必要な書類は、日本に居住しているかどうかで大きく異なります。
| 書類 | 日本在住の外国人 | 海外在住の外国人 |
|---|---|---|
| パスポート | ○ | ○ |
| 在留カード | ○ | ー |
| 住民票 | ○ | 宣誓供述書で代替 |
| 印鑑証明書 | ○ | サイン証明書で代替 |
| 実印 | ○ | サインで代替可能 |
| 収入証明書 | ○(ローン利用時) | ○(ローン利用時) |
| 納税証明書 | ○ | ー |
| 委任状 | 必要に応じて | ○(代理人使用時) |
| 宣誓供述書 | ー | ○ |
海外在住の場合、宣誓供述書は本国または居住国の公証人の認証を受ける必要があります。各国の日本大使館・領事館でも手続きが可能な場合があるので、事前に確認しましょう。
購入にかかる費用の目安
不動産の購入価格以外にも、さまざまな諸費用がかかります。一般的に物件価格の6〜8%程度を諸費用として見込んでおく必要があります。
| 費用項目 | 目安金額 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 物件価格×3%+6万円(税別) |
| 登録免許税 | 固定資産税評価額×2%(土地は1.5%に軽減) |
| 不動産取得税 | 固定資産税評価額×3〜4% |
| 印紙税 | 1万〜6万円(契約金額による) |
| 司法書士報酬 | 10万〜20万円 |
| 住宅ローン関連費用 | 融資額×2%+事務手数料 |
| 火災保険料 | 10万〜30万円(契約内容による) |
| 固定資産税日割り精算 | 物件による |
たとえば、3,000万円のマンションを購入する場合、諸費用は約180万〜240万円が目安となります。住宅購入の補助金・減税制度を活用することで、負担を軽減できる場合もあります。
外国人が注意すべきポイント
日本での不動産購入を成功させるために、外国人が特に注意すべきポイントをまとめます。
言語の壁への対策
不動産取引に関する書類は全て日本語で作成されます。重要事項説明書や売買契約書は法的拘束力のある書類ですので、内容を正確に理解することが不可欠です。多言語対応の不動産会社や、通訳を手配することをおすすめします。
住宅ローンの審査対策
外国人が住宅ローンの審査を通過するためのポイント:
- 永住権の取得:最も審査に有利になる要素
- 安定した収入:日本での勤続年数が長いほど有利
- 頭金の準備:物件価格の20〜30%の頭金があると審査が通りやすい
- 日本語能力:契約内容を理解できるレベルの日本語力
- 信用情報:日本でのクレジットカード利用歴も参考にされる
物件選びのポイント
新築と中古物件にはそれぞれ特徴があります。中古物件は価格が安い反面、修繕費用がかかる可能性があります。マンションを購入する場合は、管理組合と修繕積立金についても事前に確認しておきましょう。
税金の理解
不動産を所有すると、毎年固定資産税と都市計画税がかかります。日本に居住していない場合は、納税管理人を選任して届出を提出する必要があります。日本の税金制度についても事前に理解しておくことが重要です。
投資目的での不動産購入
近年、円安の影響もあり、投資目的で日本の不動産を購入する外国人が増加しています。投資用不動産の場合、以下の点に注意が必要です。
- 利回りの計算:表面利回りだけでなく、管理費・修繕積立金・税金を差し引いた実質利回りを確認する
- 立地の選定:東京23区や大阪市内など、賃貸需要の高いエリアを選ぶ
- 管理体制:海外在住の場合、信頼できる管理会社の選定が重要
- 売却時の手続き:将来の売却を見据えた出口戦略も考えておく
まとめ
外国人が日本で不動産を購入する手順は、物件探し→内覧→買付証明書提出→支払い方法確認→重要事項説明→売買契約→決済・登記という流れで進みます。日本は外国人の不動産購入に対して比較的オープンな制度を持っていますが、言語の壁や独自の商慣習があるため、事前準備が成功の鍵です。
特に2024年以降、国内連絡先の登記義務化や登記時のローマ字併記など、外国人に関わる制度変更も進んでいます。最新の情報を確認し、経験豊富な不動産エージェントや司法書士のサポートを受けながら、安心して不動産購入を進めていきましょう。
日本での住宅探し全般についてのガイドや、不動産購入・住宅ローンの総合ガイドもぜひ参考にしてください。
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